■四季の養生について

~ 秋の長雨の湿度と乾燥に気をつけて ~



秋の長雨の湿度と乾燥に気をつけて

 

四季は文字通り4つですが、気候区分で考えますと、春・梅雨・夏・長雨・秋・冬の6つとなります。

日本は四方を海に囲まれた国なので、1年を通して湿度は高いですが、とくに湿度が高まるのが、梅雨と秋の長雨の時期です。

 

 

秋口は、秋雨前線や台風の影響により、梅雨と同じく湿度が高くなる(=湿邪)上に、急激な気温変化に伴う冷え(=寒邪)に注意しなければなりません。

また長雨の時期は、五臓の中で消化・吸収を主に司る「脾胃」が活発化するので、光合成した天の気と大地から吸収した地の気を、バランスよく取り込んで育まれた根野菜を温めて摂るのがオススメです。

 

秋は乾燥の季節

長雨の湿度が落ち着いてくると、植物が枯れ始めると同時に、空気が乾燥します。

私たちの身体も合わせて乾くので、肺の乾燥によるのど関連の風邪を引きやすくなったり、便秘気味になりやすくなります。

 

どちらの時期も、その日の気温・天候と向き合って、身体を整えることが元気に過ごすポイントになります。

手始めに、生食や冷たいものを減らして、温めたものを中心とした食事にして、温かい飲み物を摂るようにしましょう。

合わせて積極的にお風呂につかり、身体の中までしっかりと温めていきましょう。


長雨・脾胃の食薬

長雨の時期は、梅雨と同じく脾胃が活発化します。

その脾胃の働きを助けてくれる食薬が、自然の甘味となります。

穀物や野菜に含まれる甘味を摂ることが大切なポイントになります。



秋の食薬

秋の季節は、肺が活発化します。

その肺の働きを助けてくれる食薬が、やさしい辛味となります。

白くて辛い根の野菜、大根や玉ねぎ、白ねぎ、生姜などに含まれるやさしい辛味は、呼吸器の働きを高めてくれるだけでなく、皮膚の毛穴も掃除し、大腸の働きも助けて、便通を調えてくれます。

 

▶注意しましょう!

同じ辛味でも、スパイスの効いたものや刺激の強いものは、乾燥を助長し、大腸を弱めて、皮膚トラブルを招く恐れがあるので、控えてください。



参考書籍

*野菜の便利帳 *からだの教養12ヶ月 *薬膳・漢方の食材帳