■四季の養生について

~ 梅雨・夏の養生 ~



暑い気候でも湿度が高いので、冷やし過ぎには気をつけて

 

四季は文字通り4つですが、気候区分で考えると、春・梅雨・夏・長雨・秋・冬の6つとなります。

 

日本は四方を海に囲まれた国なので、1年を通して湿度は高いですが、とくに湿度が高まるのが、梅雨と長雨です。

 

貝原益軒の養生訓には、「湿は、人の身体を傷めるのが遅くて深い。それゆえ、人は風・寒・暑は恐れるが、湿は恐れないので、湿が身体を侵すと深く入り込んで長いこと治らない」と記されています。

 

風(冷える)・寒(凍える)・暑(暑い)は、分かりやすいので対処しやすいですが、湿だと感覚も言葉もどう表現したらいいか分かりません。だから、気がついた時には湿が深く入り込んで中々、体調が整いにくい…ということ。

 

湿は文字通り、水分のことになります。夏は汗をかいて快適に過ごせるような体に整って(春の時期に)います。

汗をかくことは、身体に湿(水分)を溜まらないようにすることだけでなく、夏の体温調節にもなり、また暑さで疲れやすい「心(心臓の働きも含む)」の働きを助けてくれます。

 

現代は冷房の活躍によって、汗をかきにくい上に冷えやすいので、夏でも40度までのお風呂につかって温めて、発汗しやすいよう整えることをおすすめします。

お風呂に入る時は、500mlまでのお水を持ってお風呂につかりながら少しずつ飲んで、水分を流し過ぎないように気をつけてください。

 

梅雨・夏は、湿・夏の時季ですが…

書経(尚書)洸範の記述に「火は炎上を日う。苦を作す」とあります。

炎上とは、火が燃え上がる姿を示し、夏の厳しい暑さをなぞらえていますが、冷やし過ぎは夏バテの原因になるばかりか、秋冬の季節の冷え性の原因にもなりますので、夏の冷え(冷たいものの食べ過ぎ・飲み過ぎ、冷房)には十分に気をつけてください。


清熱・利水

梅雨の湿度と夏の暑さにより、熱がこもりやすく、水分が溜まりやすいので、体の熱を冷まし、水分代謝を高めるものを。

・はとむぎ・緑豆・トマト・ナス・きゅうり・冬瓜・さやいんげん・緑豆もやし・スイカ…



暑邪・湿邪

梅雨の蒸し暑さや夏の暑さによる汗で、体力が奪われて夏バテや不眠の原因になるので、滋養のあるものを。

・なつめ・ゆり根・さんざし・はすの実・ウナギ・玄米…



苦味

体内に溜まった熱をとって、「心」を健やかに。

・にがうり・菊花・みょうが・ウコン



参考書籍

*野菜の便利帳 *からだの教養12ヶ月 *薬膳・漢方の食材帳